真っ赤なスポーツカーの男性にナンパされて恋に落ちた私

 

 

“きゅーん”で落ちる恋なんて、なかなかない

 

基本、冴えない人生を過ごしている自分。
たった一度だけ、ドラマに出てくるような相手とひと夏を過ごした経験があります。

 

きっかけはナンパでした。
残業終わりに一人でバス待ちしていると、ときどき声を掛けてもらえることがありました。

 

早く帰りたいときは、申し訳ないのですが笑顔でお断りします。
反対に疲れていても一人では飲みたくないときがあって、そんなタイミングでナンパしてくれたりすると、ホントに嬉しい。

 

 

まさに、そんな夜のことでした。
市街地から少し外れたバス通り沿いに、私が勤める小さな事務所がありました。

 

当時すべての雑務を一人で任されていて、話し相手は隣のアパートに出入りするネコくらい。
月末になると本部への報告があり、仕事が遅くなってしまうことがありました。

 

帳簿とにらめっこするのにも疲れ、22時は過ぎたので、その日は切り上げることにしました。
まだバスはあります。

 

バス停に着くと他に待つ者はおらず、暗がりを何台かのヘッドライトが私を照らしては通り過ぎて行きました。
そこに一台の赤い車が停まり、声を掛けてきました。

 

「お姉さん、送っていくよ。」

 

真っ赤なスポーツカーでナンパする男なんて、第一印象は警戒感しかなかったかも知れません。
黙っていると、もう一度誘ってくれました。

 

恐る恐る覗くと、白いTシャツがよく似合う、どちらかと言えば可愛らしいタイプであることがわかりました。
声はなぜか、顔に似合わないような男らしい低い声。

 

この時点ではうまく説明できないのですが、不思議と惹きつけられる魅力があり、一瞬で恋に落ちてしまいました。
こんなことって、そうあることではありません。

 

少なくともこんな派手な車に乗る男性と、付き合ったことなんてありません。
でもお話してみたくて、しょうがなかったんです。

 

助手席に座ると、少し遠回りしてよいか先に尋ねてくれました。
走りながら自分のことをいろいろ教えてくれて、仕事が車関係で、職場の寮に入っているということがわかりました。

 

当然まわりも車好きなので、駐車場には錚々たる車が並んでいると楽しそうに語ってくれます。
そんな話を聞いていると、徐々に警戒感が解けてきました。

 

――純粋に、車が好きなんだ。――

 

可愛いのに、すごく低い声。
話すたびに重低音が身体に響き、久しぶりに“きゅーん”という感覚に陥りました。

 

恋に落ちるとき、理由はないと言います。
このときは直前まで野獣みたいな男と付き合っていたこともあり、心のどこかで違うタイプを自然と求めていたような気もします。

 

それに加えて、年下の自覚があるような口説き方。
実際に私が年上で間違いないのですが、フープ型のピアスを付けていたことで余計に“お姉さん”風に感じたのでしょう。

 

遊び慣れている相手だとわかりましたが、こちらも割り切って遊ぶには充分すぎるほどの相手でした。

 

 

 

人に好かれる会話術【男女兼用】

 

想いをあたためる

 

その日は地元の夜景スポットへドライブの後、そのまま自宅へ送ってくれました。
正直、名残惜しいと思いましたが、別れ際に一言。

 

「もったいないから、今日はここまでにしておきたい。」

 

そんなこと言われてしまうと、お姉さんは頭が“くらっと”きてしまいます。
少し欲求不満でしたが、その夜は一人でプシッとビールを開けました。

 

それからは電話を欠かさずくれるようになり、彼の声を聞くのが毎晩の楽しみになりました。
話す内容は、正直どうでもよかったような気もします。

 

心を溶かすような、柔らかくて低い声でした。
彼に感化されたのか、私も楽しみはゆっくり味わいたいような気持になって、すぐには会おうとしませんでした。

 

焦らないところがまた、新鮮な感じに映りました。
ところがそうこうしている間に、私は急遽実家へ行く用事ができてしまったのです。

 

列車で半日ほどかかる場所です。
こちらから連絡する旨を伝えると、快く待ってくれると返事があり、向かうことを決めました。

 

予定は一週間ほど。
家族と過ごす時間は慌ただしく過ぎてゆき、三日目にようやく彼に連絡しました。

 

「いつ帰ってくるの?」

 

大人の男性の声なのに、子供みたいに聞いてくるなんて。
実家にいて忘れかけていた心が、久しぶりに日常に引き戻されました。

 

留守中、私のことは忘れてしまうのではないかと心配していたので、その反応は嬉しくてたまらず、それからは合間を縫って一日に数回電話をすることにしました。

 

「早く会いたい。」

 

五日目の夜、思いがけずストレートな言葉を聞いて、いよいよ心を動かされました。
私も急に会いたくなり、ゲームは中盤に差し掛かったのだと感じました。

 

 

予定通り一週間で用事を済ませることができ、帰路につくことができました。
帰宅後はもちろん、すぐに彼に連絡したかったのですが、ここで少し迷いもありました。

 

本当に待ってくれているのか、いざとなると不安も生じてきたのです。
でも、自分の気持ちに正直になりたいと思いました。

 

待ち切れないと思う気持ちが、恋愛のなかで一番好きな要素かも知れません。
このタイミングを二人は待っていたのだと、信じることにしました。

 

連絡後すぐに迎えにきてくれて、たくさんお話しながらドライブ。
やっぱり生で聞く声が、いい。

 

疑ったことを正直に話すと、笑いながら許してくれました。
夜景スポットをたくさん巡って、途中の山腹で、はじめてのキス。

 

ようやく私に触れてくれました。
周りの男女も同じようなことをしている中、彼の住む寮へと道を下っていきました。

 

着いてみると、駐車場は聞いていた通りの壮観な眺め、彼の車なんてむしろ地味なくらいでした。
暗がりでも、どれもピカピカに手入れされているのがわかります。

 

――車好きな男性はやめておけ。――

 

そんな話を聞いたことはありませんか?
真面目に付き合うとなると、女性が少し苦労するらしいですね。

 

この車の持ち主たちは、みなこだわりがありそう、わかる気がしました。
でもそんなことはどうでもよくなるくらい、私のほうが彼に惚れていました。

 

何よりも心奪われたのは、彼の声。
普通は女性の声が主役だと思うのですが、今回は逆。

 

耳元でささやく声だけで、何度も、頂上に昇り詰めました。
ずるいなぁ、と思います。

 

 

 

 

 

 

恋っていいよね

 

週末の夜は港町まで出掛け、お泊りデートをしました。
ナンパから複数回のデートに及ぶ確率は、私の場合、五分の一くらい。

 

その中でも、惚れた度合いは別格でした。
朝日のなか、彼の美しい顔を眺めながらじっと耳を澄ませていると、別世界にいるような気分になります。

 

困ることと言えば、日中は彼の車が目立ち過ぎることくらい。
それでも私は、やがて秋がくることを知っていました。

 

帰りの高速はやけに飛ばすな、と思い始めるようになりました。
あるいは最初からそうだったとしても、ふいに、心に引っ掛かりを覚えるときがくるのです。

 

男性に車に乗せてもらうとき、必ず思い出す一言があります。

 

――女を乗せてスピード出す奴は、やめておけ。――

 

学生時代、私に想いを寄せてくれた男性が言ってくれた言葉でした。
きっと、本当に私のことを想ってくれていたのだと思います。

 

夏の恋はいつか、終わりがくるもの。
熱狂した時間も過ぎ去り、二人は同時に満たされて終わりました。

 

そういった意味では、私たちは相性がよかったのだと思います。
あまり気遣うこともなく、互いに欲求のまま、同じ時間を過ごしました。

 

様々な考えがあるだろうとは思いますが、当時どちらも独身ですから、誰にも迷惑はかけていません。
あんなに単純に好きって思って、会いたいから会って、したいことをして、最高と思える夏を過せたことに間違いはありません。

 

――やっぱり恋っていいな。――

 

あのとき、ナンパしてくれたことに感謝しています。
今も色あせない、ひと夏の想い出でした。

 

ご購読いただき、ありがとうございました。

 

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